静かな興奮

3月が終わる。桜が舞い散るシーンとともに4月に進む。3月は停滞の月でした。前回の更新直後の13日の夕刻、立ちくらみともめまいともふらつきともいえるような不思議な状態に陥り、ソファに横たわった。直後、帰宅した家人に伴われ、最寄りのM病院まで<歩く救急人>をした。


淡い血栓が原因と診断された。帰宅も歩きで、食欲などわくはずもなく、家人お得意の<粥>を食し、安静生活に戻った。以降、寒暖差の激しい日々をおびえて過ごす、そんな日々なのに、昨日までの日々は<静かな興奮>と称するにふさわしい日々だった。


その象徴は、『菊地成孔の粋な夜電波』。毎回濃密で示唆に富んだ番組だが、今回は自身が音楽を担当し、自ら出演している映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』に関連して、監督(冨永昌敬)、原作者(末井昭)、菊池氏とともに音楽を担当した小田朋美らの談論風発、もちろんサウンドトラックから紹介のいくつかもさることながら、・・・。


『ジャッキー』というケネディ夫人を主人公にした映画の音楽がいい、という指摘はすぐさま確認するため視聴、ジャッキーを演じるナタリー・ポートマンも出色だが、音楽もドキュメントを活かしていた。


ツイッターで知った新刊情報から『島とクジラと女をめぐる断片』(アントニオ・タブッキ著、須賀敦子訳、河出文庫)は、解説文『幻の燈台に向かって』を寄せた堀江敏幸とも相まって、3層の隠喩としての断片がかさなり、まさにここから全体像を探るという読書の楽しさは<静かな興奮>を呼び起こすのに十分。


堀江敏幸には先週刊行された『曇天記』というエッセー集があるが、何せ発症から10ヶ月経った病気の痛点が右目のところまで降りてきており、上記の文庫本一冊を読み切るのに四苦八苦の状態、しばらく休養してからの挑戦を期す、つもり。堀江氏個人がハマっているという台湾のフォークシンガー、クラウド・ルーの数曲をダウンロードして聴いている。

 

 

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