読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

偶然について

ディック・フランシスの未読の最後の作品、『審判』を読了。『再起』からいわゆる晩年の6作品をドンドン読み、楽しんだ。楽しむだけでなく、大いに学べるのが彼の作品で、この『審判』では主人公が弁護士なので、法廷、裁判、陪審員らについての法曹基礎知識はもちろんのこと、昔、世界史で習った<マグナカルタ>について、あらためて講義を受けた気分、さらには次のような記述もあり、偶然などめったにないことを十二分に認識させられた後、偶然が主人公の窮地を救うのだから。

<・・・とにかく、偶然などというのは気に入らない。もっとも、そのこと自体、証拠として使えるはずはない。なにしろ、偶然は起こりうるのだ。暗殺されたアメリカ大統領、エイブラハム・リンカーンジョン・F・ケネディにまつわる偶然の一致を考えてみればいい。リンカーンにはケネディという名前の秘書がおり、ケネディにはリンカーンという名前の秘書がいた。そして二人とも、ジョンソン副大統領によって引き継がれている。それでも、やはり偶然というのは気に入らない。・・・>

年末年始、<正しく、ではなく楽しく生きよ>、と諭された身としては、とりあえず、読書においては楽しみを享受できました。