映画カラオケ

年少のスタッフがわが家に届けてくれた資料、『東京人』2009年11月号をこの一週間、熟読。

 

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この号の特集は「映画の中の東京」、そのメイン対談として聞き手・川本三郎さんが大瀧詠一にインタビュー、これが「映画カラオケ」のすすめ。成瀬巳喜男監督の『銀座化粧』、『秋立ちぬ』について、川本三郎さんの著書『銀幕の東京』にインスパイアされた大瀧詠一さんが、1973年から通い詰めた銀座のスタジオ近くの公園が『秋立ちぬ』の京橋公園であろうという推測からスタートし、2作品を繰り返して見ては、あるいは古地図や資料、あるいは関係者への聞き取りを行い、主人公を抜いた風景を作ったらどうか、これがいわゆる<映画カラオケ>手法、木を見て森を見ずではなく、木村伊兵衛の一枚の写真を見て、そこから膨大な情報を得る、成瀬監督は手法の他に概念も踏襲した、という作家論にまで突き抜ける、ここには書けないが、実際は相当な時間と手間をかけた作業が行われている、・・・。

 

テレビの制作者、あるいはドキュメント作家たちは、このインタビューをもとに、すぐれたドキュメントを作り上げることのできる<素材>としては一級品であると思うのだが、まあ、ムリかもね。昭和20年代、30年代の東京銀座から新富町、木挽町、入船町近辺と21世紀の現時点、その変遷を追うだけでドキュメントとなるのに、ね。